【よいこの記憶術】歴史科目で実際に試してみよう、やってみよう

記憶することと再生することとが中心になっている学校の教科はこの【よいこの記憶術】に習熟するために、大変良い材料を提供してくれます。記憶学習が中心になっている学校の教科といえば、何といっても歴史科目ではないでしょうか。歴史科目での年号記憶に多くの生徒が悩んで頭を抱えます。そしてそれに応じて様々な記憶術が考案されていて既に出尽くした感があるほどです。

それらの記憶術の問題は、長期記憶に向かないことです。翌日の試験に備えるために爆発的な記憶力を発揮することには利用できるでしょう。しかし、その記憶は試験を終了すると途端に忘却の袋に入ってしまうのです。さらに年号だけが思い出されて、その年号が意味していた内容までを想起することが難しいということも特徴です。しかも、それらの年号記憶術は他の科目に応用することが難しいのではないでしょうか。

この問題を回避するために工夫された【よいこの記憶術】を試してみましょう。読者の楽しみを奪うことがないように、とても簡単で重要な歴史的事件と年号を覚えることを例題にしてみます。フランス革命は現代のあらゆる文化の起点の一つとして捉えると大変応用範囲が広い歴史上のイベントです。フランス革命に先立ってイギリスで工業化が始まり、フランス革命後にさまざまな政治体制が形づくられたという見方が可能だからです。

さてフランス革命は1787年に貴族たちの反乱したことから始まります。そこでこの年号を文字変換して、要素をキャスティングします。するとア行マ行、ヤ行マ行に含まれる文字から2桁ずつ言葉を選びます。ここでは「アメリカ」、「山」にします(自分で選ぶことがより良いです)。そして要素は、「アメリカ」、「貴族」、「山」ですね。

続きます。貴族たちの反乱で始まったフランス革命はナポレオン・ボナパルトが政権掌握し、1799年に帝政樹立することで一応の終焉を迎えることになります。重要な年号は1799年です。同じように文字変換、言葉変換します。ア行マ行、ラ行ラ行ですから、ガンダムでお馴染みアムロ・レイを採用してみます。そうすると、要素は「ナポレオン」とアムロ・レイということになります。

このように抽出した要素を並べてみましょう。ノートには「アメリカ」「貴族」「山」「フランス革命」「アムロ・レイ」そして「ナポレオン」という、何となくイメージできそうなモノが並びました。次にこれをストーリを持たせた一枚の絵としてイメージするのです。できあがりはできるだけ、違和感が出るようにすることがコツです。違和感は現実に出会うイメージと区別して記憶しておく為のカギになります。

例えば、反乱した「貴族」たちが「アメリカ」の「山」に登頂します。山の上で、「アムロ・レイ」のコスチュームに着替えて、「ナポレオン」のポーズを取っているところを思い描いてみて下さい。できればそれをノートの上で絵に描いてみることは有効な方法になるでしょう。その絵を見てどのような感覚を持ちましたか?情けない様子でしょうか。それとも面白い絵になったでしょうか。その絵のタイトルはもちろん、「フランス革命」です。

もちろん、歴史で学ぶことが求められているフランス革命はこれだけで尽くされることはありません。例えばフランス革命と1794年のテルミドール反動とは切っても切れない関係にあります。しかし、最初からこれらを一つの記憶ブロックに入れる必要はありません。記憶ブロックの要素があまり多すぎるとイメージ画が複雑になり記憶の難易度をあげてしまうので、イメージ画を連結させて記憶することで同じことができるはずです。

【よいこの記憶術】実践編。ほんとは記憶することから始まるのだ

【よいこの記憶術】が重要だと考えていることは、如何に簡単に記憶できるかということです。記憶することは学習の最初の段階に過ぎないのであって、学習は本来記憶そのもののことではないからです。現在の社会での入試制度などの関係から記憶学習がもっとも目的に適った効率を持つだけなのです。このことを理解していないとどんな記憶術が相応しいのか判断することはできないでしょう。

志望大学入学を果たした後は、記憶に基づいて考察し判断するという学習態度が求められます。考察、判断という思考の手法がその後の研究の基礎能力になるからです。この能力はまた就職などによって社会に出た後は当然のこととして要求されているのです。さらには社会の変化速度が速まった結果、現役を引退するまで、この能力が求められ続けることになります。

【よいこの記憶術】には3つの原則があります。それは「イメージ」、「連想」、そして「連結」です。これら3つの原則は人間の本性に基づいています。そして3つの原則を使って一つのイメージ・グループを形成するというイメージの構成モデルは日本人にとっては馴染みの深いものなのです。そのモデルとは歌舞伎のことです。伝統的に歌舞伎は日本人のイメージ構成の基本になっていて、私たちにとても使い勝手がよいのです。

歌舞伎での物語の進行には一つのパターンがあります。いくつかの、要素となる演技が適当な順番で始まります。しかし、それらの要素は目の前の舞台の一定の場所に配置されていきます。そして一つの舞台上に、演技で物語を語り終えた役者が揃ったとき、舞台上の役者たちは一斉にポーズ(見栄)を取って一枚の絵を作り上げるわけです。錦絵として切り出される場面は、この舞台の様子(止め絵)を描き出しているのです。

このように錦絵として描き出されることになる、歌舞伎の舞台の一場面は、観衆の記憶に格納されていきます。時間を追って演技され続けた結果、歌舞伎の舞台は一連の止め絵の連続として記憶されることになるのです。そしてそれは紙芝居のような記憶を残すことになり、民衆が歌舞伎の演目を思い出す時には、この止め絵の単位で思い出されるのです。これが日本人に受け継がれている記憶のメカニズムであって、モデルを作っています。

【よいこの記憶術】の要領も歌舞伎を観劇したときの記憶形成と同じ手順をとります。記憶のブロックが最終的な一場面、止め絵になっているのですね。記憶の要素を割り当てられた一つ一つのイメージは、歌舞伎での役者に相当します。それぞれの要素は何かを表しながら、記憶のイメージ画を描き出すことになります。さらにこの記憶のブロックが「連結」することで、さまざまなストーリを描くことができるのです。

再び記憶で終っては学習にならないと言っておきましょう。記憶は再現される必要があります。再現されて利用されるときに意味を持つからです。学校での勉強で言えば、記憶は学習の一部に過ぎません。記憶した内容を問題に取り組む時に、再生して適用するということが求められます。これが学校での学習です。社会に出てからなら、記憶した内容が業務において学校と同じように再生、適用が求められるのです。

ここで説明している記憶術、【よいこの記憶術】は使い始めたときからおそらく効果を発揮します。そして使えば使うほど、効率が向上するはずです。それは物事をイメージするという作業が、脳の活動にとって心地よいからです。ですから勉強が嫌いだと思っている子どもたちに学習指導をする時に、このやり方を一緒にイメージ画を作る作業を手伝うことで、成績不振に陥っていた子が伸び出したのでしょう。

【よいこの記憶術】入門編。覚えておけば一生使える、役に立つ!

それでは【よいこの記憶術】の入門編です。入門編で紹介する内容は、【よいこの記憶術】のやり方です。もちろんこの手順ですぐに【よいこの記憶術】を実践することができる人もいらっしゃるでしょう。しかし、学習の基礎体力であるビジュアル・イメージを作る力が不足していると効果が発揮できないかも知れません。【よいこの記憶術】はビジュアル・イメージを活用した記憶術なのです。

まず、記憶のブロックを作成します。学習範囲には記憶するまでもないことも混じっています。知っていることは改めて記憶する必要はありません。そして考えればわかることも記憶する対象から外しましょう。この2つのフィルターで残った項目が記憶の対象になります。これで一覧リストができると思います。この一覧リストに入っている項目は前述したノート術の再利用によって容易に作ることができるはずです。

次に記憶リストのそれぞれの項目が、相互に関連するように関係づけします。関係は因果関係や並列関係によって結びつけることができるはずです。【よいこの記憶術】ではこの相互関係は本当のことある必要はありません。つまり自分が好きなように関係づけるのです。できれば、「怪しい」「怖い」「うれしい」などという感情を持てる関係づけが望ましいでしょう。

この2つのプロセスの結果、記憶のブロックは全体性を持つことになり、全体の記憶と部分を構成している要素とが互いに記憶の強度を補い合うことになります。全体を把握することが部分の記憶を支援し、部分の記憶が全体を作るという関係になっているのです。このような記憶形態は人間の自然な記憶のブロックに非常に似通ったものになりますので、長期記憶するのに大変都合が良いということになります。

つづいて、数字などの具体的イメージを持たない要素をものの名前に置き換えます。すべての要素がものの名前になっていることが重要なのです。数字をものの名前に置き換えるルールは自分で工夫すれば良いのですが、ここで一つ紹介しておきましょう。数字は2桁ずつ区切って言葉に置き換えます。1はア行、2はカ行から一文字を取り、最初の二文字の並びをもつものの言葉を選びます。

これで記憶リストの項目はすべて、相互に関連したものの言葉に置き換えられたはずです。これで準備完了です。それぞれの項目が一つのストーリーになるように物語を構成して下さい。そのストーリーは一枚の絵になるように工夫しましょう。一枚の絵になることが記憶の負荷を軽減してくれるはずです。馴れないうちはできるだけ項目数を減らすことがポイントになるでしょう。多くても7つまでにしましょう。

ここまでできれば、実際に絵に描く必要はありません。頭の中でその情景を思い浮かべる練習をします。できるだけ詳細なイメージを思い描きましょう。怪しさ、怖さ、うれしさ、あるいは痛さなども同時に感じることができれば、できるほどあなたの記憶に深く刻むことができるはずです。そしてスムーズにその絵を頭の中で再現できるようになったら、最後の確認です。

思い描いたビジュアル・イメージから、記憶リストの項目を再現してみましょう。この作業によって記憶の再現がされるので、記憶が確認されてより強固な記憶を作るようになってきます。理科の化学式、歴史の事件の単位で、数学の問題単位での学習に応用することができるはずです。再現の練習をすることで、記憶されたビジュアル・イメージと学習内容とが一致してくることがわかるでしょう。

この作業は、誰かが手伝って誘導することも可能です。生徒にプロセスを順番に指示して、一枚のビジュアル・イメージを作らせるのですから、専門知識は必要ありません。そして記憶リストを手に持って、生徒の記憶の再現を確認すれば良いのです。

【レシピ】簡単明快!自分だけの宝物になってしまうノート術とは

ノートは学習する上での大きな武器アイテムです。ノートがなくては思考にならないのだと考えて頂いても良いくらいです。ダンジョンでダガーを持たないようなものなのです。あまりにも基本的なアイテムであるノート。それでも世にはノート術が溢れているのには理由があります。それはノートを取っても使えないからに他ならないのです。使えないアイテムなら不要なのですが、それでもノートを持てば安心できるということでしょうか。

どのようなノートを買えばいいのか、どのようにノートを書けば良いのかということに様々な意見が集中しています。中学時代の友人を思い出します。彼は極めて丁寧にノートを作る性格でした。一文字描くのに1分かけることもしばしばだったように思います。当然、見た目にも丁寧に書かれており整然としていました。残念なことには彼の成績はまったくふるわず、希望する高校に進学することができませんでした。

ノートを作る形式は守るべきです。しかし、形式はできるだけシンプルで簡単なルールでできている必要があります。例えば学校で使用するB5ノートだとすれば、科目、単元、そして項目毎にノート1ページが割り当てられるべきです。そしてそれぞれのページには、項目のタイトル、そして日付、内容が書かれてあり、忘れてはいけないのが情報源です。情報源は学校であれば、先生の名前、教科書のページということになるでしょう。

この4つの要素がフォーマットのルールのすべてなのです。このルールに従って作成されたノートは何年経っても見直して利用することができます。そして肝腎な要素は、ノートの内容なのです。成績が伸び悩んでいる生徒たちのノートは2つのタイプに分かれていました。一つタイプは、ノートになっていません。落書きと関係ないことで埋め尽くされていました。

もう一つのタイプは教科書の丸写しです。このタイプのノートを作っていた生徒は大変真面目な性格で家庭での手伝いを良くこなし、優良な生徒だったのですが、教科書を丸写しするというノートは決して効率的ではなく、従って成績が伸び悩むことになっていたのです。これらタイプは異なっていますが、ポイントは共通しています。それは何をノートに書けばいいのかがわからないということでしょう。

ノート1ページには、学習している内容の項目が対応する必要があります。そしてその内容は記憶の単位になっているベキなのです。これが学習ノートのマスト要件です。落書きは、ノートの印象を強めてくれますので助けになりますが、必須要件ではありません。歴史のノートであれば、一つの時代、一つの事件が記憶の単位を作るはずです。ノートを作るという作業は、記憶の単位を作る作業だったのです。

このようにして記憶の単位を意識して作られた学習ノートは、一生使う事ができます。学校を卒業してもテレビで知識を参照したいことがあります。その時にはノートを探し出して、記憶の内容を確認できるのです。落書きがあればその時の情景すら一緒によみがえるでしょう。このノートを作る習慣を持つことは当然、社会人として職場でも活用することができますし、日常生活のさまざまな部分で活用することができるのです。

このような構想をノートに持つことで、学校から会社まで一貫したノートを作成していくことができるでしょう。ですから、ノートはできるだけ頑丈な体裁のものを選ぶことになります。ノート単位を意識すれば、差し替えることが可能なノートが便利だということになるでしょう。学校によっては使用するノートが制限される場合もあるようですが、ノートの作り方は採用することが望ましいですね。